生涯独身だった叔父が80歳で亡くなり、その片づけを唯一の肉親である私と従妹が引き受けました。生前より「俺が死んだら後のことお前たち二人によろしく頼む」と言われていましたので、覚悟は出来ていました。軽い風邪で入院した叔父が、そのまま肺炎になり2か月後に亡くなりました。
まさか亡くなるとは思っていなかった私たちは、家の状態などは全く分からないままの片づけとなりました。まず部屋に入ると、キレイ好きだった叔父からは想像もできない位汚れており、まさにゴミ屋敷と言っていいほど散らかり、収集に出していなかったゴミ袋が山積みになっていました。私たち二人だけでは片づけられないと判断し、兵庫県内で口コミの良い遺品整理の業者さんにすべてを頼むことにして、連絡手配しました。
作業開始前に「写真等があればとっておこう」と二人でタンスの引き出しなどを探していた時です。台所のゴミの山の中に小さな巾着があるのがふと目に留まりました。何気なく開けてみると現金300万円が入っていました。一人暮らしの叔父が、いざという時のために現金を用意しておいたのだと思いました。叔父の心がけに感謝しつつ、偶然にそれに気づいた縁のようなものを感じて、今でも時々その時のことを思い出します。