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父親の遺品の片付けの体験談

父親が脳梗塞で亡くなったと聞いたのは突然の母からの電話でした。突然の訃報にも関わらず最近会っていなかったなというものでした。死にめに会えなかったことも特に何も感じませんでした。私は父との関係はあまりよくなかったのです。

 

父は子供の頃から子供にあまり干渉してくるような親ではありませんでした。当然大人になってからはどんどん疎遠になっていきました。実家には年に何度か帰っていたのですが、正直話すこともありませんでした。

 

母に父の部屋を片付けるように頼まれました。父の部屋に入るというのはあまりありませんでしたので、とても居心地が悪かったように感じました。そこには私の知らない父の世界があったからです。当たり前のことですが、父には父の生活。父には父の人生。父には父の喜びがあったのです。

 

私は父にそういった思いをその時始めて馳せることができたのです。
業者には頼まず遺品整理していると、古い箱が出てきました。その中には私が子供の頃に書いた手紙や似顔絵が出てきました。私はその時始めて泣きました。